正しい枕の選びのために


◎枕の役割は、首を支えてけい椎のカーブを睡眠中に保持すること。

◎枕選びは、高さ、硬さ、大きさ、素材が重要です。寝返りや横向き寝にも対応できること。

◎枕の高さは、敷き寝具の硬さ、柔らかさによっても変わります。


 

枕は、なぜ必要か?

 

人がまっすぐ立ったときの姿勢を横から見ると、首が前に出ています。これは人間が二足歩行するようになり、発達して大きくなった脳を支えるためで、そのために背骨の首部分のけい椎は、緩やかなS字型を描いています。眠りの質を高めるためには、一晩中このS字型を保持することが大事です。その役割をになうのが枕であり、敷きふとんです。けい椎部分の隙間を埋めることのできる枕こそ、寝姿勢を安定させ、心地よい眠りを支えます。


 

枕は、首を支えるもの

 

枕は、頭をのせるものではなく、首を支えるためのものです。

肩口が当るくらい枕をのせるのが正しい当て方です。

後頭部から首筋にかけての全体で頭部を支えるので首、肩に負担がかかりにくくなります。


良い枕の条件とは?3つの条件

 

1、後頭部に適して、首をしっかり支える硬さのある枕    

2、仰向き寝と横向き寝のどちらにも対応して、寝返りにも対応する横幅の大きさがある枕

3、高さ調節ができる構造と素材の枕


 

正しい枕の高さとは?

 

頭が沈み込んだ時の高さが大切で、これは敷きふとんとのバランスで決まります。仰向け寝に比べて横向き寝は肩幅の分より高さを必要とします。目安となる快適値は、

けい椎部分が5~9cm、後頭部が2~6cmです。

 

横向き寝は肩幅分の高さが必要です。仰向き寝に使う枕中央部に比べて、

横向き寝に使う枕両端部は、1cm程度高くなります。


正しい枕の硬さは?

 

柔らかすぎると頭部が深く沈み不安定になり、接触面も大きくなるため熱がこもりやすく寝苦しくなりがちです。

硬すぎると接触面が少なく限られた部分で頭と首を支えるのでしびれやすくなります。


枕の大きさは?

 

寝返りや横向き寝にもしっかりと対応し、肩先まで支えるためには、頭が3つ入るくらいの大きさで、60cm以上の横幅と40cm以上の奥行きが必要です。


枕の素材は?

 

熱がこもらず汗を吸収発散させる通気性の良い素材で、へたりが少なく型くずれしにくい素材であることが理想です。

また、洗濯できる素材もあります。

 

【パイプ素材】空洞になっている形状が特徴で、通気性が良く弾力性、復元力があります。虫がつかず、ホコリもたたないので衛生的です。

 

【ポリエステルわた素材】繊維状の素材と粒状の素材があり、柔らかくて弾力性に優れていますが、熱がこもりやすく、へたりやすい特徴があります。

 

 

【エンジェルフロート素材】柔らかくフィット性に優れていますが、水分に弱く汗かきの人はお勧めしません。

 

【そばがら素材】そばの実を乾燥させたものです。接触冷感があり、放熱性に優れ適度な硬さで安定感もあります。天然素材のため砕けやすい。頻繁に日干しをして湿気を取り除く必要があります。


枕と敷き寝具の関係は?

 

柔らかい敷き寝具は、身体が沈み込みます。硬い敷き寝具は、あまり沈みません。首や頭部と敷き寝具の間にできた空間が、必要な高さになるため、枕の高さには敷き寝具の硬さが大きな影響を及ぼします。